賃貸物件における瑕疵物件とは?物理的瑕疵と環境的瑕疵の違い
「瑕疵(かし)物件」という言葉をご存じですか?
最近は、「事故物件」という呼び方の方が馴染みがあるかもしれません。
あまり知られていませんが、実は瑕疵物件にもいくつかの種類が存在しています。
そこで今回は、瑕疵物件とは具体的にどういう物件のことを指すのかについて、そして「物理的瑕疵物件」と「環境的瑕疵物件」それぞれの特徴についてもご紹介していきます。
該当する内容はさまざま!賃貸物件における瑕疵物件とは
賃貸物件における瑕疵物件とは、その不動産に備わっているはずの品質や性能、機能に欠陥や不具合があることを指します。
また、それは物理的な問題だけでなく、環境的(心理的)な内容も含まれます。
つまり、借り手がその内容を聞いたときに住むことをためらうような理由のある物件が、瑕疵物件です。
不動産会社には瑕疵物件であることを告知する義務があるため、気になる賃貸物件の家賃が不自然に安い場合などは直接訪ねてみることをおすすめします。
賃貸物件における物理的瑕疵物件とは?戸建ての場合は土地にも注目を
「物理的瑕疵物件」とは、賃貸物件そのものに物理的な不具合や欠陥があるものを指します。
たとえば、雨漏りや壁のひび割れ、排水管の破損、シロアリによる被害などです。
また、耐震強度の不足、建材に使用されたアスベストなども物理的瑕疵にあたります。
戸建て賃貸物件の場合は、地中にゴミが埋められていたり、有害物質で土壌が汚染されてる場合も物理的瑕疵に該当するので、不動産会社に確認しておきましょう。
ただし、普通に生活していてついてしまった床の傷や、自然に摩耗した建具などは瑕疵にはあたりません。
賃貸物件における環境的瑕疵物件とは?周囲の環境が瑕疵になることも
あまり知られていない瑕疵の種類に、「環境的瑕疵」というものがあります。
これは、物件に物理的な欠陥がなくても、周囲の環境によって生活が害される可能性のある物件のことです。
具体的には、墓地、清掃工場、ガスタンク、鉄塔、刑務所、火葬場、風俗営業などの「嫌悪施設」と呼ばれるものが近くに存在していたり、周囲の鉄道や工場が原因で騒音や異臭によるストレスを感じる物件などです。
近隣にごみ屋敷がある場合なども環境的瑕疵物件に該当します。
欠陥が目に見える物理的瑕疵物件とは違い、環境的瑕疵物件は借り手によって「瑕疵」と感じられる範囲が違ってくる点が特徴です。
たとえば周囲が繁華街になっていて騒音がストレスになる方もいれば、夜中まで明るいので仕事帰りでも安心という方もいます。
また、嫌悪施設は直接的に生活に影響が出るものではないので、気にならない方であれば、相場より安く入居できることの多い瑕疵物件はむしろメリットに感じられるかもしれません。